借りたマンションは何年住める?賃貸物件の寿命とは

不動産豆知識

皆さんは、マンションの寿命についてどれくらいご存じでしょうか?
特に古いマンションへの入居を検討している方にとって、マンションの寿命は気になる点の1つだと思います。
今回は、そんなマンションの寿命にスポットを当て、どれくらい住むことができるのか、またどれくらい住むケースが多いのかについて解説します。

マンションの寿命はどれくらいなのか?

まずは、マンションにはどれくらい住むことができるのかについて解説します。
結論から言うと、マンションに“これ以上は住めない”という期間は存在しません。
したがって、マンションの寿命は実質ないと言っても過言ではないでしょう。
特に近年建設されたマンションは、適切な防災、耐震構造がされており、自然災害が発生しても、住めなくなるほど壊滅的な被害を受けることもありません。
また建設から100年以上経っても、未だに人が住み続けているマンションは実際に存在します。
ただマンションには、構造別に“法定耐用年数”というものが定められています。
法定耐用年数とは、その減価償却資産がどれくらいの年数利用に耐えられるのかを表した数字のことを言います。
例えば、鉄筋コンクリート造のマンションの法定耐用年数は、47年と定められています。
つまり、鉄筋コンクリート造のマンションは、建築から47年の間であれば、住み続けても問題ないということです。
ただ先ほども触れたように、建設から100年以上経っても、まだ現役で稼働しているマンションはあります。
すなわちマンションの寿命は、そのマンションがどれくらいメンテナンスを施されているかによって変わってくるということです。

築年数が経過するほど住みにくくなることは確か

単純に“住むことができなくなる”ということをマンションの寿命とするならば、マンションには寿命はないと言えます。
ただ築年数が経過すればするほど、快適な生活を送りにくくなることは確かです。
例えば水道やガス、電気などの設備は劣化していくため、築年数が経過したマンションほど、これらの設備において不具合が生じやすくなります。
具体的に言うと、水の浄化がされにくくなったり、コンロの火が点きにくくなったり、電気を浪費しやすくなったりします。
したがって、“快適な生活ができなくなる”ということをマンションの寿命とするのであれば、建設から100年以上経過しているようなマンションは、すでに寿命を迎えている可能性が高いと言えます。
つまり“このマンションにはこれ以上住めない”という判断は、建物に著しい破損がある場合などを除いて、入居者の感覚に委ねられるということです。

どれくらいの期間マンションに住むケースが多いのか?

では一般的に、同じマンションにはどれくらいの期間住むケースが多いのでしょうか?
公益財団法人“日本賃貸住宅管理協会”が2017年に発表したデータを見てみましょう。

1年未満1~2年2~4年4~6年6年以上
学生0%9%88%4%0%
一般単身0%6%68%24%3%
一般ファミリー0%0%26%58%16%
高齢者(65歳以上)0%0%6%32%62%
法人1%16%59%21%3%
外国人4%25%53%15%3%

長期間マンションに住むには契約更新が必要上記のデータを見ると、個人の方は高齢になればなるほど、同じマンションに住み続ける期間が長いことがわかります。
高齢者の方の中には身体が不自由な方なども多く、引っ越しをするのが大変だというのが理由だと考えられます。
逆に学生は、長期間同じマンションに住み続けるということがほとんどありません。
学生の期間だけマンションで生活する方が多いことと、社会人になったときに勤務先が遠くなるなど、ライフイベントが起こりやすいことが理由だと推測できます。
またこのデータを見ると、多くの方が自身の状況に応じて住み続ける期間を判断していることがわかるため、やはりマンションにこれと言った寿命はないと言えます。

マンションには寿命がなく、住み続けたい場合は何年でも住み続けられることがわかりました。
ただ長期間マンションに住むのであれば、必ず契約更新をしなければいけません。
マンションの契約は、基本的に2年間で契約が満了するため、住み続けるのであれば、新たに契約を結ぶ必要があります。
契約更新の時期が迫ると、もちろんマンションの入居者には通知が届くため、更新を逃してしまうというケースはほとんどありません。
ただ万が一更新し忘れてしまった場合、そのマンションに住み続けることはできなくなるため、注意しましょう。
またマンションの契約更新では、更新料がかかるケースがあります。
この更新料の支払いを巡って、入居者とマンションのオーナーがトラブルになるということも考えられるため、契約更新の際には必ず詳細を確認しておきましょう。

まとめ

マンションの寿命を中心に解説してきましたが、いかがだったでしょうか?
もう1度おさらいしておきましょう。
“住むことができない”ということをマンションの寿命と考えるのであれば、実質マンションに寿命はないと言えます。
ただ“快適な生活ができない”ということをマンションの寿命とするなら、あくまで個人の判断になりますが、マンションには寿命が存在するということになります。

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