賃貸物件を探すとき、建物や部屋のセキュリティ体制をチェックする方は多いかと思います。
また部屋のドアガードについて、セキュリティを高める設備として認識している方もいるかもしれませんが、その考え方は少し危険です。
今回は、賃貸物件のドアガードにおける注意点を解説します。
ドアガードの概要
賃貸物件のドアガードは、玄関ドアの内側についている簡易的な補助錠です。
地面(床面)から150cmの高さが多く、容易に解錠できるよう手の届きやすい高さに設置されています。
また賃貸物件のドアガードには、U字ロックやチェーンロックなどさまざまなものがありますが、近年の賃貸物件で多いのはU字ロックです。
U字ロックは、ドアノブ側の出っ張りにU字の錠をかけることにより、ドアを開けたときに引っかかって途中までしか開かなくなるという仕組みのものです。
施錠しないときはドアの手前に引いておくことで、錠が出っ張りに引っかからないようになります。
ドアガードはセキュリティを高める設備ではない?
賃貸物件のドアガードは、内側からしか解錠できないため、セキュリティを高める設備と考えている方も多いでしょう。
しかし、実際はそうではありません。
ドアガードは本来、訪問販売対策の目的で取り付けられています。
具体的には、セールスマンや勧誘員などが家の中に押し入り、居座ってしまうなどの被害を防止する目的で使用されます。
“空き巣に外からピッキングなどで鍵を開けられても、ドアガードがあれば侵入を防ぐことができる”というのは、本来の使用方法ではありません。
そのため、賃貸物件のドアガードはそれほど頑丈につくられておらず、ドアの隙間からグラインダーやチェーンカッターなどの工具を使用すれば、簡単に破ることができます。
ドアガードは外から開けられるリスクが高い
賃貸物件のドアガードは、元々セキュリティ強化を目的としていないため、耐久性がそれほど高くありません。
また基本的には室内からしか解錠できませんが、特定の道具さえあれば外から開けられることも考えられます。
具体的には、ひもや輪ゴムがあれば解錠される可能性が高いです。
U字ロックを外から開ける場合、まず半開きにしたドアの隙間からU字アームの中にひもを通し、ドアの上からひもの端を出します。
この状態で、ドアの接続側にひもを引っ張ると、ドアが閉まるタイミングでドアガードが解錠できます。
もちろん、ドアの鍵を閉めていれば、ピッキングをされた上で上記の開け方を実践されることになります。
そのため解錠には時間がかかります。
一方うっかりドアの鍵を閉め忘れ、ドアロックのみをかけている状態になっていた場合、容易に解錠・侵入されることも考えられます。
ちなみに、少し築年数の経過した賃貸物件であれば、チェーンロックのドアガードが設置されていることもあります。
チェーンロックも、U字ロックと同様の原理で解錠できます。
チェーン部分に輪ゴムを結んでドアノブに引っかけた後、ドアを閉めることで解錠可能です。
賃貸物件のドアガードにおける防犯対策
賃貸物件の部屋におけるセキュリティは、ドアガードだけでは不十分です。
そのため、以下のような対策が必要です。
・家にいるときも鍵を閉める
・鍵の防犯性が高い物件を選ぶ
各項目について詳しく説明します。
家にいるときも鍵を閉める
当然のことですが、ドアガードのセキュリティをアップさせるためには、家にいるときも鍵を閉めることが望ましいです。
空き巣などの犯罪者の侵入経路は、玄関や窓が大半を占めています。
また侵入される原因には、扉の無施錠が多く挙げられています。
そのため、鍵を閉めておくだけでも、犯罪のリスクは大幅に減らせます。
鍵の防犯性が高い物件を選ぶ
賃貸物件のドアガードのセキュリティを高めるのであれば、鍵自体の防犯性が高い物件を選びましょう。
特におすすめなのは、ディンプルキーを採用している賃貸物件です。
ディンプルキーは、鍵の金属部分にいくつもの凹みがついているタイプです。
こちらは鍵穴が複雑な構造になっているため、ピッキングなどの被害に遭いにくいです。
ドアガードは勝手に閉まることもある
賃貸物件のドアガードは、勝手に閉まってしまうことも考えられます。
U字ロックは、使用していないときスリムに折りたためるようになっていますが、長期間使い続けたものはヒンジが緩み、ドアを閉めたときの衝撃で閉まることがあります。
またドアガードをフック代わりに使っている方も、その重みで勝手に動きやすくなり、ドアを閉めた瞬間にロックされることがあります。
勝手にドアガードがロックされると、これから帰宅する家族を締め出すことになってしまいます。
まとめ
これから賃貸物件を探す方は、まずドアガードをセキュリティ設備だと考えないようにしましょう。
本当にセキュリティ性を高めてくれるのは、オートロックやディンプルキー、カードキーなどのシステムです。
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