賃貸物件を内見する際、リビングやキッチン、ベッドルームなどを細かくチェックする方は多いかと思います。
また、賃貸物件に配置される部屋の中には、一般的な居室とは少し異なるものがあります。
その1つが“納戸”です。
今回は、納戸のある賃貸物件に住むことのメリット・デメリットを中心に解説します。
納戸の概要
窓が少なく、採光量が十分でないことが理由で、居室とは認められない部屋のことを納戸(なんど)といいます。
具体的にいうと、建築基準法上、居住の目的のための居室については、採光に関する基準、換気に関する基準をクリアしなければいけませんが、納戸はこちらの基準を満たしていません。
ちなみに、納戸はサービスルームと呼ばれることもあり、賃貸物件の間取り図ではアルファベット1文字でSと表記されることが多いです。
納戸のある賃貸物件に住むことのメリット
では、納戸のある賃貸物件に住むことには、一体どのようなメリットがあるのでしょうか?
主なメリットとしては、以下のことが挙げられます。
・収納スペースとして活用できる
・作業スペースとして活用できる
収納スペースとして活用できる
賃貸物件における納戸のメリットは、やはり収納スペースとして活用できるという点です。
納戸は居室とは認められていないものの、通常の居室と変わらない程度のスペースを有していることが多いです。
そのため、アウトドア用品など、かさばりやすいものも収納できます。
また、納戸は採光量が少ないため、日光の影響をあまり受けません。
よって、食品などの直射日光を避けて保管したいものの収納スペースとしても向いています。
もちろん、ハンガーラックなどを設置すれば、ファミリークローゼットとして活用することも可能です。
作業スペースとして活用できる
納戸のある賃貸物件に住むメリットとしては、作業スペースとして活用できるということも挙げられます。
繰り返しになりますが、納戸は居室として認められていない部屋です。
ただし、居室と同じように使ってはいけないというルールはありません。
例えば、デスクや本棚を設置すれば、作業スペースとして活用することができます。
ここ最近は、コロナの影響から自宅でテレワークを行う方も増えていて、そのような方にとっては貴重な作業スペースとなります。
納戸のある賃貸物件に住むことのデメリット
一方で、納戸のある賃貸物件に住むことには、以下のようなデメリットもあります。
・空調管理が難しい
・薄暗い
・他の部屋が狭くなる
空調管理が難しい
こちらは納戸そのもののデメリットですが、空調管理は一般的な居室と比べて難しいです。
なぜなら、窓が付いていなかったり、極めて小さい窓しか付いていなかったりするため、換気がしにくいからです。
また、納戸はもともと居室としての使用を前提としていないため、エアコンを設置するためのコンセント、ダクトは基本的にありません。
もちろん、別の部屋のコンセントを使用し、扇風機やサーキュレーターを設置することはできますが、長時間滞在するときの快適性に関しては、あまり高くないと言えます。
そのため、テレワークなどで活用する際は、定期的に空調の効いたリビング、ベッドルームなど、別の部屋に移動することをおすすめします。
薄暗い
納戸は基本的に、物を収納するためにつくられるスペースです。
また、何度も言うように採光量が少ないため、照明がなければ薄暗く、作業スペースとして活用しづらくなります。
ただし、照度の高い照明を設置すれば、十分作業できる明るさにすることができます。
他の部屋が狭くなる
納戸の広さは、一般的な居室とあまり変わりません。
そのため、納戸が配置されていることによって、リビングダイニングやキッチン、寝室など、他の部屋が狭くなってしまうおそれがあります。
うまく納戸を活用するためのポイント
収納スペースとして、あるいは作業スペースとして納戸をうまく活用するためには、以下のポイントを押さえておきましょう。
・ラック等を設置する
・引き戸の物件を選ぶ
ラック等を設置する
納戸は収納スペースとしては広いため、ついつい物が集まりすぎてしまい、何がどこにしまってあるのかわからなくなることがあります。
そのため、ラックやタンス等を設置し、整理しやすい環境にしておくことをおすすめします。
引き戸の物件を選ぶ
納戸を収納スペースとして活用する際のポイントとしては、いかに物を出しやすく、しやいやすくできるかということが挙げられます。
よって、開き戸や折り戸ではなく、引き戸になっている物件を選ぶようにしましょう。
引き戸であれば、ドアの近くに物を収納しても、開けづらくなることがありません。
まとめ
ここまで、納戸のある賃貸物件に住むメリット・デメリットを見てきましたが、いかがでしたでしょうか?
家族構成や状況に合わせて、さまざまな使い方ができるというところが、納戸の持つ一番の魅力といえます。
もし、気になる賃貸物件に納戸が配置されているというのであれば、どのように使うかをシミュレーションした上で、必要か不必要かを判断してください。