賃貸物件の中には、他の物件にはない特徴を持った物件も数多くあります。
今回注目するのは、“オール電化”を採用している賃貸物件です。
今後物件探しをする方の中には、オール電化の賃貸物件が選択肢の1つなることも考えられるため、前もって概要やメリット・デメリットについて把握しておきましょう。
オール電化の賃貸物件とは？
オール電化の賃貸物件とは、電気設備だけでなく、調理設備から空調設備、給湯設備に至るまで、すべての熱源が電気となっている物件のことを言います。
例えば、通常コンロや給湯機の熱源にはガスが使用されますが、オール電化の場合、IHクッキングヒーターやエコキュートなどが備え付けられています。
その他、電気を使った空調設備として、床暖房や蓄熱暖房機なども完備されています。
ちなみに、IHクッキングヒーターは、ヒーター内部のコイルに電気が流れ、電気を通して金属製の調理器具を発熱させる仕組みになっています。
ヒートポンプ式の給湯器であるエコキュートは、割安な深夜電力を使用して湯を沸かし、日中に使用する湯を溜めておくことが可能であり、蓄熱暖房機は内蔵されている蓄熱レンガを暖める暖房器具で、エコキュートと同じように深夜電力を利用して熱を蓄えます。
オール電化の賃貸物件に入居するメリット
オール電化の賃貸物件におけるメリットとしては、主に以下のようなことが挙げられます。
・光熱費を抑えることができる
・基本使用料分の節約ができる
・安全性が高い
・災害時の復旧が早い
光熱費を抑えることができる
オール電化の賃貸物件では、夜間に安い電気代で湯を沸かしたり、蓄熱暖房機の熱を溜めたりすることができます。
光熱費の中でも、お湯と暖房にかかるコストはかなり大きいため、こちらは大きなメリットだと言えます。
基本使用料分の節約ができる
通常の賃貸物件の場合、電気とガスのそれぞれに基本使用料が発生します。
一方、オール電化の賃貸物件の場合、ガスの基本使用料を支払う必要がないため、その分が節約できます。
つまり、光熱費を電気に一本化できるということです。
安全性が高い
オール電化の賃貸物件では、ガスが部屋の中に発生することがないため、一酸化炭素中毒などの危険性はありません。
また、火が発生しないIHクッキングヒーターが備わっているため、火災の危険性も通常の賃貸物件より低いと言えます。
ちなみに、IHクッキングヒーターは磁力線によって鍋自体を熱くしているため、キッチンの空間全体が熱くならないという特徴もあります。
災害時の復旧が早い
地震や台風などの自然災害が発生した場合、ライフラインが停止すると生活に大きな支障が出てしまいます。
ただし、電気はガスや水道と比べて復旧が早く、すべての設備を電気で動かしているオール電化の賃貸物件は、比較的早めに日常生活に戻ることができます。
オール電化の賃貸物件に入居するデメリット
一方で、オール電化の賃貸物件におけるデメリットとして挙げられるのは、以下のポイントです。
・日中の電気代が割高
・専用の調理器具が必要になる
・停電時にはすべての家電が機能しなくなる
日中の電気代が割高
オール電化の賃貸物件のデメリットとしては、まず日中の電気代が少し割高になるという点が挙げられます。
オール電化の料金プランは、夜間の電気における単価が低く設定されている分、日中の単価は高めになっています。
したがって、日中に調理や家事で使用する家電やテレビ、ドライヤー、冷暖房などを使用する際は、注意しなければ通常の賃貸物件より光熱費がかかってしまう可能性もあります。
専用の調理器具が必要になる
以前入居していた賃貸物件が通常のガスコンロであった場合、オール電化の賃貸物件に移住したタイミングで、IH対応の調理器具を新たに購入しなければいけません。
IH対応の調理器具は、ガス対応のものに比べて種類が多くないため、好きなメーカーやデザインのものが使用できなくなる可能性もあります。
また、IHクッキングヒーターは、ガスのように直接炎が出ないため、火を使って調理するのが好きな方にとっては、少し物足りなさを感じるかもしれません。
停電時にはすべての家電が機能しなくなる
オール電化の賃貸物件は、電気に大きく依存しているため、停電時にはすべての家電が機能しなくなってしまいます。
例えば、IHクッキングヒーターが使用できないことにより、お湯が沸かせず、非常食のカップ麺が食べられなかったり、レトルト食品を温められなかったりする可能性があります。
そのため、カセットコンロなど、停電時にも使用できるアイテムは必ず用意しておくべきです。
まとめ
ここまで、オール電化の賃貸物件におけるメリットやデメリットについて解説しましたが、いかがでしたでしょうか？
オール電化の賃貸物件に入居すれば、お得で安全な暮らしを実現できますが、電気の使い方に関しては、これまでよりも意識を高めなければいけません。
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