賃貸物件を契約する際は、さまざまな名目で費用を負担することになります。
また、中には賃貸物件を契約した後に支払うものもあり、安定した収入や蓄えがなければ、問題なく賃貸契約を結び続けるのは難しくなります。
ここからは、賃貸物件の契約にかかるさまざまな費用について解説したいと思います。
賃貸物件の契約にかかる主な費用
賃貸物件に入居し、その後も契約を続けていくために、借主は以下のような費用を負担しなければいけません。
・初期費用
・前家賃
・共益費
・更新料
・家賃保証会社利用料
初期費用
初期費用とは、後述する前家賃や敷金、礼金、火災保険料、仲介手数料など、賃貸物件を借りる際、最初にかかる費用の総称をいいます。
こちらの初期費用を抑える方法としては、入居後一定期間の賃料が無料になるフリーレントの物件を借りるのも一つの方法です。
また、一般的に初期費用の中でもっとも大きな割合を占めるのが、敷金と礼金です。
これらは、物件や地域によっても異なりますが、賃料の1~3ヶ月分に設定されていることが多いです。
ちなみに、不動産会社に支払う仲介手数料は、賃料の1ヶ月分が必要であり、その他火災保険料などが初期費用として必要になるケースもあります。
前家賃
前家賃とは、賃貸物件を契約する際、あらかじめ翌月分の賃料を支払うことを言います。
賃貸物件を契約する際の費用としては、敷金や礼金などがありますが、こちらの前家賃も支払うのが一般的です。
また、契約した月中に入居し、賃料が発生する場合は、入居日からその月末までの賃料を日割り計算した金額と、翌月分の賃料をあわせて支払います。
例えば、9月の初めに契約し、月途中の15日に入居する場合、9月の残り15日分+10月分の賃料を契約時に支払うことになります。
なお、賃料が発生する時期を契約日にするのか、入居日にするのかは、契約前に物件のオーナーと借主が話し合って決定します。
そのため、賃貸物件を探す際は、入居のスケジュールについても、早めに不動産会社に相談しておくと安心です。
共益費
賃貸物件の入居中に発生する費用である共益費は、管理費とも呼ばれるもので、共用部分や施設の維持管理のために徴収される金銭です。
大半の賃貸物件には、こちらが設定されています。
具体的には、廊下の電灯の交換、エレベーターの保守管理費、外壁の修繕など、建物の維持に使用されます。
また、共益費は賃料とは別に徴収することが多いですが、どちらも同じタイミングで支払う費用であるため、賃料=賃料+共益費と考えるのが一般的です。
実際に、賃貸物件の中には、これらの費用を区別せず、2つをまとめて賃料という名目で徴収するところもあります。
ちなみに、敷金や礼金は賃料の金額に左右されるため、もし共益費の設定がない物件があったのであれば、事前にどこまでが賃料で、どこまでが共益費なのかを確認しておくべきです。
更新料
更新料も、共益費と同じく、賃貸物件の入居中に発生する費用の一つです。
こちらは、賃貸物件における賃貸借契約を更新する際、借主から物件のオーナーに支払う一時金のことをいいます。
一般的には、2年ごとに賃貸借契約が更新され、更新時に賃料1ヶ月分の更新料を支払うケースが多いです。
また、物件のオーナーに支払う更新料の他に、仲介の不動産会社などに手数料(更新事務手数料、更新手数料)を支払うルールになっていることもあるため、更新の時期が近づいたら、契約時の重要事項説明書や契約書を確認することが大切です。
家賃保証会社利用料
家賃保証会社利用料とは、文字通り賃貸物件に入居する際、家賃保証会社を利用した場合に発生する費用のことをいいます。
家賃保証会社とは、賃貸物件の借主が賃料などを支払えなくなったとき、一時的に立て替えてくれる会社のことをいいます。
周囲に連帯保証人を頼める方がいないときなどによく利用されます。
しかし、現在は、賃貸物件のオーナーに保証会社の利用を指定されるケースが多いです。
高齢化などで保証人になれる方が減少しているのもあり、首都圏においては、約90%の物件が保証会社必須で募集されています。
こちらは、借主が保険会社を利用することにより、個人の連帯保証人よりもオーナーが安心できることが理由です。
実際に賃料などの滞納があったとき、連帯保証人がいたとしても、なかなか連絡が取れないなど、簡単に賃料をカバーしてもらえないことがあります。
ちなみに、家賃保証会社の利用には審査があります。
審査では主に収入や職業などで、賃料の支払い能力をチェックされ、滞納などの問題が起きないように、人柄もチェックされることがあります。
まとめ
ここまで、賃貸物件の契約にかかるさまざまな費用について解説しましたが、いかがでしたでしょうか?
いつどのようなタイミングで費用がかかるのかを把握しておかなければ、オーナーや不動産会社とトラブルになってしまうこともあるため、注意が必要です。
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