賃貸管理における騒音は、居住者同士だけでなく、オーナーや管理会社と居住者の間でトラブルを引き起こす原因にもなります。
過去に賃貸管理における騒音トラブルによってどんな判例があったのかを知ることで、未然にトラブルを防ぐことが出来るかもしれません。
いくつか判例を紹介します。
賃貸管理における騒音トラブルの判例 ケース①
とあるマンションで、騒音を立てる上の階の居住者に対して、下の階に住む居住者が慰謝料を求めて提訴しました。
騒音の原因は、上の階に住む居住者の子供が昼夜関係なく、部屋を跳ね回ったり走り回ったりしていたことです。
騒音のレベルは、普通の人であればかなり不快に感じる音量で、時には長時間に及ぶこともありました。
下の階に住む居住者は、提訴する前に上の階の住人に注意をしましたが、マットを敷く程度の対応をしただけで、子供が走り回る音自体は鳴り止みませんでした。
この不誠実な対応のせいで、下の階の居住者は提訴に踏み切ってしまったとも言えるでしょう。
結局この判例では、下の階の居住者の提訴が認められ、上の階の居住者は30万円の慰謝料を支払うことになりました。
もし、下の階の居住者が管理会社やオーナーに騒音について相談していた場合、ここまで大事にはならなかったかもしれません。
オーナーはもし居住者の相談を受けたら、注意書きを掲示したり、直接騒音を立てる居住者に注意したりという迅速な対応をしなくてはいけません。
賃貸管理における騒音トラブルの判例 ケース②
こんな判例もあります。
とあるマンションの一室で、管理会社によるフローリングの工事が行われました。
ただフローリング工事が終わってからというもの、その下の階に住む居住者が騒音に悩まされ、寝ることも困難になってしまいました。
結局下の階の居住者は騒音を理由に退去し、その後騒音によって精神的な苦痛を受けたとして、マンションの管理会社に慰謝料を請求する訴えを起こしました。
後の調査で判明したのは、上の階の居住者が騒音を立てていたわけではなく、工事されたフローリングの遮音性が悪かったということです。
下の階の居住者が管理会社を訴えたのは、フローリング工事がされてから明らかに騒音が聞こえるようになったからという理由でした。
この判例では、精神的な苦痛を受けるほどの重大なトラブルではないという判断が下され、結果的に下の階に住む居住者の訴えが棄却されています。
ただ騒音の程度によっては、管理会社に慰謝料の支払いが命じられていた可能性は十分にあります。
この判例は、賃貸物件のオーナーにとっても他人事ではありません。
部屋のリフォームをする際には、床の遮音性に十分配慮するべきでしょう。
まとめ
賃貸管理をするオーナーは、騒音トラブルがなるべく大事にならないように、普段から注意喚起することが大切です。
賃貸管理における騒音トラブルは1番多いトラブルであり、完全になくすことは不可能です。
ただ1番多いトラブルだからこそ、様々なことを想定して対策を立てやすいとも言えます。