賃貸借契約において、思わぬ場面で発生するトラブルを減らすために、借主は入居時、賃貸借契約書にしっかり目を通し、確認事項を押さえなければいけません。
また、賃貸借契約書に関する疑問についても、契約前に解決しておく必要があります。
今回は、これら2つのポイントについて解説したいと思います。
トラブルを防ぐために確認すべき賃貸借契約書の確認事項
賃貸借契約書を交わす際は、以下の確認事項を重点的にチェックすべきです。
・契約期間、更新に関する事項
・賃料、共益費に関する事項
・原状回復に関する事項
契約期間、更新に関する事項
借主はトラブルを防ぐために、まず賃貸借契約書において契約期間、または更新に関する事項を確認しましょう。
例えば、契約期間が2年間となっている場合、2年を経過しても継続して住み続けるには、契約を更新しなければいけません。
また、その際にポイントとなるのが、更新料の有無です。
そもそも更新料は必要なのか、また必要なのであれば金額はどれくらいなのかといった点は、必ず確認しておきましょう。
賃貸借契約書で理解できなければ、直接不動産仲介業者に質問することをおすすめします。
賃料、共益費に関する事項
賃料、共益費に関することも、賃貸借契約書における重要な確認事項です。
賃料は毎月必ず支払わなければいけない費用ですが、それ以外にかかる共益費などの費用が含まれているのか、そうでないのかをまず確認します。
また、賃料や共益費における支払い方法、支払い期限、支払いが遅れた場合のルールなども、トラブルを防ぐためには必ず把握しておかなければいけません。
原状回復に関する事項
賃貸借契約におけるトラブルは、借主が退去する際に起こることが非常に多いです。
特に、原状回復に関するトラブルは、もっとも多いトラブルだと言っても過言ではありません。
借主が退去する際は、賃貸物件を入居時の状態に戻して、貸主に返還します。
こちらを原状回復と言うのですが、このとき、場合によっては借主が原状回復費を負担しなければいけないことがあります。
基本的に、建物や設備の経年劣化した部分に関しては、借主が原状回復費を支払う必要はありません。
ただし、どのような場合に費用を負担しなければいけないのかについては、賃貸借契約書において必ず確認すべき事項だと言えます。
賃貸借契約書に関するよくある疑問について
では次に、賃貸借契約書を交わす借主によくある疑問とその答えをお教えしたいと思います。
こちらをご覧になることでも、賃貸借契約におけるトラブル回避に役立ちます。
賃貸借契約書を紛失したらどうする?
もし、賃貸借契約書を失くしてしまったとしても、焦って対処する必要はありません。
なぜかと言うと、退去時に賃貸借契約書の返却を求められたり、失くしたことによって契約違反になったりすることはないためです。
ただし、賃貸借契約書を失くしてしまうと、契約内容をチェックすることができなくなるため、注意が必要です。
例えば、退去時に支払う原状回復費の負担など、重要な契約内容がチェックできない場合、トラブルに発展してしまう可能性もあります。
したがって、なるべくトラブルを避けたいという方は、失くしたことに気付いた時点で、貸主や不動産仲介業者に対してコピーをもらえないか相談することをおすすめします。
賃貸借契約書はどのタイミングで受け取れる?
賃貸借契約書は、賃貸物件に入居するタイミングで必ず受け取れると考えている方が多いですが、実際はそうとは限りません。
賃貸借契約書は、一般的に借主と連帯保証人、不動産仲介業者と貸主の署名捺印がすべて揃って初めて作成されます。
そのため、借主が入居する直前まで署名捺印をしなかった場合、入居するタイミングでは受け取れない可能性があります。
また、賃貸物件に入居して数ヶ月経ってもまだ受け取っていないという場合は、何かしらの問題が発生している可能性が高いため、早急に不動産仲介業者に受け取っていない旨を伝えましょう。
重要事項説明書との違いは?
賃貸物件に入居する際の重要な書類に、重要事項説明書というものがあります。
重要事項説明書は、不動産仲介業者が「あなた(借主)が借りる物件はこのような物件で、このような条件になっています」ということを説明するためにあるものです。
借主の契約前の判断資料として、機能することを目的としていて、内容は不動産会社が説明することになっています。
一方、賃貸借契約書は、賃貸契約におけるルールなどについて記載された書類です。
貸主と借主の間における契約後のトラブル防止を目的としていて、重要事項説明書とは違い、不動産会社が説明すべき書面とはなっていません。
まとめ
ここまで、賃貸借契約書における重要な確認事項、賃貸借契約書に関する疑問について解説しましたが、いかがでしたでしょうか?
賃貸物件に入居する際、賃貸生活を送る際には、借主自身もある程度知識を身に付けておくことで、自らの身を守ることにつながります。
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