東日本大震災での液状化の被害が記憶に新しい千葉県浦安市。
アスファルトがゆるみ、地面から水があふれる様子をテレビなどで目にして衝撃を受けた方も多いと思います。
そのような浦安市では、どのような防災教育を学校で行なっているのでしょうか。
そこで今回は、過去の教訓から浦安市がどのようにして次の世代に災害の怖さを伝えているのか、防災教育の実態を紹介していきたいと思います。
浦安市ではもちろん防災教育を学校で行なっており、小中連携・一貫教育を活用することで子供達の発達段階に応じて、わかりやすく教えています。
ですが実は、浦安市では画期的な防災教育が学校以外で沢山行われているのです。
そこでここでは、浦安市で実施されている画期的な防災教育を主に2つ、学校で行われていないものをメインに挙げていきます。
災害発生時のリーダーを育成する、“ふるさとうらやす立志塾”
ふるさとうらやす立志塾は、平成23年から開始されました。
21世紀のふるさとうらやすを担うリーダーの育成をめざすとともに、学校のリーダーとしての資質能力の向上を図ることを目的としています。
県内研修と県外研修の2つを行なっていて、県内研修で画期的な防災教育を実施しています。
ちなみに県外研修では、年度によりますが、東日本大震災の被災地を訪れて被災地の復興の現状や復興に取り組む人々の思いにふれています。
市内の9つの市立中学校から、各校3人ずつの計27人の中学2年生が集まり、自主的・意欲的な態度と実践力を育成しているのです。
それでは、本題の画期的な防災教育である県内研修について紹介していきます。
ふるさとうらやす立志塾の県内研修では、災害発生時のリーダーを育成するための災害訓練が4年目の2014年から始まりました。
2日間にわたり、宿泊型の防災研修を行うのです。
初年度の2014年の実施内容を紹介すると。
1日目は、午前中にデジタルマップを活用した災害図上訓練。
浦安市に直下型地震が発生した時の街の様子や被害の状況、人の動きなどをデジタルマップで示し、その規模や内容を学ぶとともに、中学生として何ができるかを考えていきます。
午後は、火傷などの怪我の応急処置法のレクチャー。
そして夜は、被災地でボランティア活動を行っている人々とトークセッションを行いました。
また非常食を食べたり、浦安市総合体育館に寝床を作るなど、避難所体験研修も実施されました。
災害発生時に必要なことが豊富に詰め込まれ、実体験をもって学べる、とても画期的な訓練ですよね。
2日目は、被災直後を想定して市内を歩き、街の状況を把握するとともに、困難な状況に直面している人を支援するといった設定の訓練を行いました。
行き先や解決すべき課題は、生徒がもつiPadに送られてきます。
通行不能の道や高齢者からの救助の要請、消防署に設置された災害対策本部への報告などの課題を解決しながらゴールを目指すのです。
まさに、災害発生時を疑似体験できるフィールド型学習ですよね。
この訓練を受けたのと受けてないのでは、災害時の対応力は格段に違ってくるでしょう。
ここまで災害発生時をリアルに再現し、対応させるという、まさに前代未聞の防災教育です。
浦安市少年消防団
浦安市で行われている画期的な防災教育の学校以外のものとして、2つ目に浦安市少年消防団を挙げます。
代表者は浦安市の消防団副団長。
小学校5年生になる4月1日から小学校6年生を修了する3月31日までの2年間が活動期間です。
少年少女が防火防災に関する知識と技術を習得するとともに、協同の精神を養い、将来の地域防災の担い手として明るく元気に成長することを目的としています。
主な活動内容とは、救命講習や防災訓練、防火・防災講習、宿泊研修である避難所体験などです。
平成29年4月1日現在、男性49人、女性39人の計88人が活動しています。
ここまで積極的に活動している少年消防団は全国でもあまり無く、浦安市少年消防団は表彰をうけたほどです。
まさに、防災面で将来を担う子どもたちにとって、学校以外での画期的な防災教育といえるでしょう。
まとめ
ここまで、浦安市での画期的な防災教育の中で、学校以外のもの2つを紹介してきました。
いかがだったでしょうか。
防災教育とは、次の世代に災害の恐ろしさを伝え、二度と同じことを繰り返さないようにすることです。
このことを十分に理解し、子どもたちへの防災教育を徹底していきましょう。
ここまで画期的で有効な防災教育を実施している浦安市が、パイオニアとなっていくかもしれませんね。