賃貸物件や併設された駐車場の管理は、主に管理会社によって行われます。
もちろん、賃貸物件の管理においても問題は発生しますが、駐車場の管理においても、日々さまざまな問題が発生しています。
では管理会社が困っている駐車場の問題には、具体的にどんなことが挙げられるでしょうか?
管理会社が困っている駐車場の問題①違法駐車への対応
多くの管理会社が困っている駐車場の問題の1つに、“違法駐車への対応”が挙げられます。
具体的には、契約者以外の人物が勝手に駐車場に車を停めていたり、使用しない車が放置されたままになっていたりすることを指します。
どちらのケースでも、管理会社にはすぐに連絡が入るようにはなっていますが、面倒なのは所有者が判明しない場合です。
所有者が判明すれば、すぐに車を移動させるように指示することができますが、いつまで経っても所有者がわからず、連絡も付かない場合、管理会社が撤去費用を負担しなければいけない可能性もあります。
また違法駐車によって、入居者同士のトラブルが発生する可能性もあり、そのトラブルの仲介役としても、管理会社は大変な思いをすることがあります。
管理会社が困っている駐車場の問題②車同士の接触事故への対応
管理会社が困っている駐車場の問題には、“車同士の接触事故への対応”も挙げられます。
管理会社には、駐車場内における安全性を確保するような措置を講じる義務があります。
ただ、適切に管理している場合でも、車同士の接触事故が起これば、入居者同士のトラブルに巻き込まれる可能性があります。
したがって管理会社は、適切な管理ができていると自負している場合でも、頻繁に車同士の接触事故が発生するのであれば、無用なトラブルに巻き込まれないように、さらなる対策を講じなければいけません。
ちなみに駐車場内で起こる事故のうち、車同士の接触事故は約半数の55%を占めています。
管理会社が困っている駐車場の問題③駐車場設備への接触事故への対応
“駐車場設備への接触事故への対応”も、管理会社が困っている駐車場の問題の1つです。
例えばポールやコンクリートブロック、シャッターや駐車場内の壁など、車がぶつかる可能性がある設備は数多くあります。
私有地での単独事故に関しては、管理会社が事故を起こした入居者から連絡を受けて、どのように処理すればいいのかを伝えます。
ただ駐車場設備への接触事故を起こした入居者の中には、駐車場の設備についていちゃもんをつけたり、管理会社に損害賠償を請求したりする方もいます。
このような状況なったとき、管理会社は対応がとても難しくなり、トラブルの解決までには時間も負担もかかります。
管理会社が困っている駐車場の問題④人身事故への対応
管理会社が困っている駐車場の問題には、“人身事故”も挙げられます。
実は車両事故の40%強は、駐車場内で発生しています。
車道から駐車場内に入ると、緊張が緩んだり、早く駐車しようとして注意力が散漫になったりするためです。
したがって、たとえ規模の大きくない駐車場であっても、人身事故が起こる可能性は高いと言えます。
人身事故が発生した場合も、管理会社が入居者にいちゃもんを付けられ、トラブルに巻き込まれる可能性はゼロではありません。
したがって管理会社は、人身事故発生の可能性をできる限り少なくするべく、出入口での一時停止や安全確認、駐車場内での走行速度など、駐車場内でのマナーやルールを入居者に促し、利用者の安全を守るための措置を講じる必要があります。
管理会社が困っている駐車場の問題⑤管理費用の増加
“管理費用の増加”も、管理会社が抱える深刻な駐車場の問題です。
先ほども少し触れましたが、駐車場の管理と一口に言っても、その業務内容は駐車スペースを貸し出し、費用を集めるだけではありません。
例えば、駐車場内のミラーや看板などの設置費用は、基本的に管理会社が負担します。
また豪雪地域などでは、除雪費用も管理会社が負担しなければいけません。
その以外にも、除草や整地などには費用が掛かりますし、それらを行ってもらう従業員への人件費もかかります。
自主管理の場合はこれらの管理をすべてオーナーが行うことになる
ここまで管理会社が困っている駐車場の問題をいくつか挙げてきましたが、もしオーナーが賃貸物件、併設する駐車場の管理を管理会社に委託しない場合、これらの管理はすべてオーナーが行うことになります。
そう考えると、駐車場付の賃貸物件の自主管理が、どれだけハードルの高いことであるかがわかります。
まとめ
管理会社が困っている駐車場の問題について解説しましたが、いかがでしたか?
管理会社はこれだけ多くの問題を抱えながらも、入居者に快適な環境を提供するために、駐車場の管理を行っています。
また駐車場付の賃貸物件を自主管理しようと考えているオーナーは、それが非常にハードルの高いことであることを理解してから、どのように管理するかを判断しましょう。
費用はかかるにしろ、無理せず管理会社に委託するのがおすすめです。