建物全部が賃貸のマンションだと、なかなかこの「オーナー変更」は経験しませんが、分譲マンションを借りているとこの「オーナー変更」は意外と良くあります。でも慣れないと「オーナーが変わると家賃も変わるのでは?」といろいろ心配されるかと思いますが大丈夫!その理由とオーナー変更になった際のポイントをご説明します。
オーナー変更になっても従前の契約は変更無し!
住んでいるマンションのオーナーが変われば、契約も変わって下手すれば家賃まで変わってしまうのでは?と思われる方も多いと思いますが、その点は心配ご無用。過去の判例で「賃貸不動産の所有者に変更があった場合、特約がない限り、賃借人・新所有者間に、従来の賃貸借関係がそのまま移転・存続する。(大判昭和6年5月29日新聞329号18頁等)」というものがありますので、オーナーが変更になっても契約はそのままです。むしろ契約期間中のオーナー変更で、新オーナーが家賃変更などを求める方がNGです。
オーナー変更になったら従前の契約を確認!場合によっては!?
賃貸借の契約期間中にオーナー変更になっても心配要りませんが、契約満了後はその従前の契約次第で問題が出る場合もあります。通常の「普通借家契約」なら家賃の変更はあり得ますが退去させられることはありません。しかし期間を定めた「定期借家契約」だと、もともと契約終了と同時に退去する契約になっているので、新オーナーが契約更新しなければ退去する必要が出てきます。でもこれらはオーナー変更がなくても同じなので、オーナー変更になったら従前の契約を確認する程度でいいでしょう。
オーナー変更になっても退去時に敷金は必ず戻ってくる!
賃貸借契約時に支払った敷金は、オーナーが保全する義務があります。またオーナー変更になっても、その敷金は新たなオーナーにそのまま引き継がなければなりません。実際は、オーナー変更時にその敷金も含めた価格で売られているはずですが、新オーナーはそれを認識していないことが多いんです。つまり退去時に敷金の返還を求めても、新オーナーは敷金を預かっていないと言い張り、返還に応じない場合があります。その場合は、契約時に払った敷金を証明できる契約書を提示し、敷金返還を求めましょう。敷金は必ず戻ってきます!
オーナー変更で賃借人は何もしなくてOK!むしろ何か求めてきた方がNG
住んでいるマンションのオーナーが変更になっても、基本的に賃借人は何もしなくて構いません。前オーナーと交わした契約はそのまま新しいオーナーに引き継がれますので、特に再契約などの必要はありません。むしろ再契約を求めてくる方がNGです。オーナー変更で新しいオーナーから署名・捺印などの書類を求められたら要注意。賃借人にとってはいいことはほとんどありません。安易に署名・捺印しないようにしましょう。
まとめ
とにもかくにも住んでいるマンションがオーナー変更になっても心配要りません。そもそもオーナー変更は分譲マンションを借りるとはよくある話です。ただし、そのオーナー変更に合わせて契約変更を求めてきたら要注意。オーナー変更になって、書類に署名・捺印を求められたら安易に対応してはいけませんよ。また敷金も必ず返還されますので、新オーナーにしらを切られても、契約書をたてに敷金返還を求めましょう!