賃貸物件は、入居者が自宅として使用するものですが、持ち主はあくまでオーナーです。
そのため、入居者はあらかじめ定められたルールを守って生活しなければいけません。
では、もし賃貸物件において禁止行為を行ってしまったら、入居者はどうなるのでしょうか?
今回は、禁止行為の内容ごとに解説したいと思います。
賃貸物件における主な禁止行為
賃貸物件では、主に以下のような行為が禁止されています。
・無断転貸
・大規模な模様替え
・ペットの飼育(ペット不可物件)
・共用部分でのバーベキュー
・無断での同棲
・共用部分に私物を置く
では、これらの禁止行為の内容と、行ってしまった場合の処分などについて見てみましょう。
無断転貸
無断転貸は、すべての賃貸物件において禁止行為と定められています。
転貸とは、いわゆる又貸しのことであり、オーナーから借りている賃貸物件について、入居者が無断で第三者に貸し出すことを指しています。
民法第612条の“賃借権の譲渡および転貸の制限”には、“賃借人は、賃貸人の承諾を得なければ、その賃借権を譲り渡し、または賃借物を転貸することができない。賃借人が前項の規定に違反し、第三者に賃借物の使用または収益をさせた場合は、賃貸人は契約の解除をすることができる”と記載されています。
つまり、入居者は無断転貸を行うことにより、賃貸借契約を解除されてしまう可能性があるということです。
大規模な模様替え
近年、テレビや雑誌などにおいて、DIYとして壁紙の張り替えや、テラスの建築などを行う様子が頻繁に紹介されるようになりました。
しかし、賃貸物件においては、無断で壁紙を張り替えたり、床を張り替えたりすることは禁止行為に該当します。
また、このような行為を行うと、退去時に修繕費を請求される可能性があります。
もし、どうしても部屋の雰囲気を変えたいというのであれば、壁の上から貼ってキレイに剥がせるものなど、室内にダメージを与えないような模様替えにとどめましょう。
ペットの飼育(ペット不可物件)
ペット不可物件においては、当然ペットの飼育が禁止されています。
このような物件でペットを飼うと、アレルギー物質などが壁に付着してしまう可能性が高いです。
また、もしペット不可物件でペットを無断飼育していた方が退去した後、リフォームをせずに新しい入居者が現れ、その方がペットアレルギーを持っていたら、アレルギー反応を引き起こし、大変なことになります。
そのため、もし無断でペットを飼っていたことがばれたら、壁紙や床材を含むフルリフォームをせざるを得なくなり、こちらの費用に関しては通常損耗は考慮されず、違反した入居者の負担、さらに契約解除になる可能性が高いです。
共用部分でのバーベキュー
賃貸物件には、住戸部分の専有部分と、専有部分以外の共用部分があります。
共用部分には、駐車場やエントランス、ゴミ捨て場、外階段、バルコニー、ベランダ、専用庭などが該当しますが、こちらは入居者全員が使用する部分であるため、定められたルールを守って使用しなければいけません。
また、共有部分でのバーベキューは、賃貸物件の規約や使用細則に抵触することが一般的です。
こちらは、騒音やニオイ、煙などによる入居者同士のトラブルを防止することが主な理由です。
もし、無断でバーベキューを行い、近隣住民に迷惑をかけて共同の利益に反する行為に該当した場合は、賠償金を支払わなければいけない可能性があります。
無断での同棲
賃貸物件に一人で入居した後、パートナーが同棲するために入居するケースはよくありますが、無断で同棲をすることは、原則賃貸物件の禁止行為にあたります。
同居人となるパートナーは、先に入居した方と同じく入居審査の対象です。
無断で同棲をすると、パートナーだけ入居審査を受けないことになってしまいます。
また、そもそも同居人の増減については、オーナーや管理会社に報告しなければいけない事項であるため、無断での同棲は申告違反となります。
もっと言えば、勝手な同棲は内容や状況によっては転貸とみなされる可能性もあるため、必ず申告しましょう。
共用部分に私物を置く
例えば、自身が入居する部屋の前だからといって、共用部分である廊下に私物を置く行為は、賃貸物件においては禁止されています。
また、基本的には室内からしか入れないことから、ベランダを専有部分だと思っている方もいますが、こちらも共用部分の一部であるため、大量にものを置くことはマナー違反です。
もし、ベランダにものが大量に置かれていると、災害が発生したとき、ベランダを避難経路として使用できなくなる可能性があります。
特にこちらに対する罰則や処分はありませんが、日頃からベランダをキレイにしておくことは大切です。
まとめ
ここまで、賃貸物件における主な禁止行為について解説しましたが、いかがでしたでしょうか?
他にどのような禁止行為があるかについては、契約時に手渡される賃貸借契約書などで確認しておきましょう。
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